interview

昨年日本で正式にデビューを果たした
台湾の人気ロックバンド「Mayday」のギタリスト、ストーン(石頭)。
イギリスBBC放送がアジアのビートルズと称する
スーパーバンドのギタリストとしてだけでなく、
作曲家・作詞家・作家・役者とさまざまな顔を持つ彼が、
小さなころからどのように本と親しみ、書籍と向かい合ってきたのか、
彼の読書遍歴についてお話を聞いてみました。

もっと台湾(以下、も):本を読むのは好きですか。
どんなタイプの本を好んで読みますか。
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ストーン(以下、ス): 本を読むのは大好きです。
僕たちはコンサートツアーでいろいろな場所を回るので、
移動時間が結構長いんですよ。
だから必ず本を持っていきます。
ほぼ毎回持っていくのは『科学人』1という台湾の雑誌。
僕はサイエンス系の書物を読むのが大好きなんです。

:大学での専攻は環境工学でしたね。
理系の人ですよね、納得です。
:お! ちゃんと勉強してきてますね(笑)。
そう、だから外出する時は
ほぼ必ず『科学人』を持っていきます。

:でもサイエンス誌って難解じゃないですか。
:確かに『科学人』は初心者向けの雑誌ではないので
難しいかもしれません。量子力学やブラックホールの原理など、
かなり深い内容のものが多いです。
だから僕も昔は『Newton(ニュートン)』2を読んでいました。
そしてもっと小さいころは『コペル21』3を読んでいました。
これまでたくさんのサイエンス誌を読んできて気づいたのは、
実はサイエンス関連書籍には多くの哲学理論が含まれているということです。
僕自身、それに気づいてとても驚きました。
たとえば、小さいころよく聞かされた老子の「無為」という観念、
太極や陰陽五行の思想などが奇妙なことにサイエンス関連書物からも
読み取れるのです。また西洋諸国が現在研究している理論は、
東方ではもっと古い時代から討論されていたと感じています。

『科学人』は理系の人だけではなく、文系の人にもトライしてほしい雑誌です。
なぜなら、これら科学者の文学的素養はとても高いレベルにあるからです。
難解な理論を文字に書き起こし、人々にわかりやすく伝えるためには、
さまざまな形容詞を駆使し文章として構成する必要がありますからね。
科学者は華麗で美しい文章を書くことには長けてはいませんが、
豊かな表現力を持っていると思います。

(続きます!)

800_6828-xストーン(石頭)
本名、石錦航。台湾人気ロックバンド「Mayday」のギタリスト。1975年12月11日台湾、台北生まれ。国立台湾師範大学付属中学、淡江大学環境工学科卒業。コンサート中に当時交際中だった女性にプロポーズし、その後結婚。2007年に長男が誕生し、「小石頭(小さな石)」の愛称で知られている。2009年には、第二子が誕生している。

 

*4月15日スタートの佐藤健主演フジテレビ系ドラマ
『ビター・ブラッド』の主題歌“Do You Ever Shine?”をMaydayが担当。
Maydayオフィシャルサイト:http://www.mayday.jp

photo by 熊谷俊之/text by 西本有里

  1. 1845年にアメリカで創刊された世界最古の一般向け科学雑誌『Scientific American』の中国語版。台湾では遠流出版社より2002年に刊行され、報道内容はアメリカ版の翻訳だけでなく、台湾独自の企画記事が40%を占める。日本語版は『日経サイエンス』として株式会社日経サイエンスが1971年2月より出版している。 []
  2. ニュートンプレスが発行している月刊科学誌『ニュートン』の台湾版。台湾ニュートン出版が1983年5月に日本ニュートンを翻訳する形で創刊。しかし2006年に台湾ニュートン出版が財務危機に陥り、停刊となった。その後量子メディアが台湾版の版権を購入し、2007年11月より新しく『Newton量子科学雑誌』として出版されている。 []
  3. くもん出版から発刊されていた子ども向け科学雑誌。台湾では新学友書局がこの版権を購入し、1985年2月から2001年8月まで翻訳出版されていた。 []