interview

ストーンの人生において、「本」とはどのような存在なのでしょうか。
「本」が彼に与えた影響はどんなものがあるのでしょうか。
さらに深く掘り下げてお話を聞いてみました。

もっと台湾(以下、も):お話を聞いていると、本との関わりは
かなり深いように感じます。ストーンの人生において本とは何ですか。
ストーン(以下、ス):僕自身、書物とはすべての知識や経験の累積だと思っています。
僕は説明書を読むのが好きなんです。
理系の人間ですし、音楽をやっている関係でパソコンやギター関連の機材など
たくさんの機械が周りにあります。
僕は機械に触る前、必ずまず説明書を読むようにしています。
そうすることで不必要な間違いや手間が省けるからです。
そういったこともあってか、僕は徐々にすべての本は
なんだか説明書や参考書のようだなと感じ始めました。

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そう、なんらかの事象の説明書。
たとえば、小説は人間のさまざまな感情や人生を描きますよね。
ですから小説はある意味において
人生の説明書であるといえます。
さまざまな人生の説明書。
読者にどのような人生を生きていくかを伝えています。
あなたがある問題にぶち当たった時、
読んだ本に描かれていたやり方に
共感するかもしれないし共感しないかもしれない。
共感しないのであれば自分自身のやり方を選択すればいい。
時には本を読んでいたことで、あなた自身が同じような間違いを
犯さなくなるかもしれない、悲しみを減らせるかもしれない、
思い通りにいかなかった時の
対応の準備ができるかもしれない……そんなふうに感じています。

そして、真実の文学とは詩である、と感じています。
詩は緻密な記憶や経験を数文字の中に凝縮させた純粋な文学だと思います。
詩には生活における体験や経験を表現したものもたくさんありますが、
非常に独特でユニークな文学だと思います。
日本には俳句がありますよね? 僕は俳句も大好きです。
実は初めて俳句を読んだ時とても驚いたんですよ。
韻律が美しく素晴らしいですよね。

:中国語に訳されても俳句の韻律を感じることができるのですね!
:もちろんです。きちんと感じられます。
中華圏において漢詩は少し軽く見られているというか、
僕たちは唐詩や宋詞を小さいころから学んでいるので、
漢詩はとても簡単なものだと考えている節があります。
ですから初めて俳句に触れた時、なんて美しい定型詩なのだろうと感動しました。
日本では俳句をこんな美しい形で発展させているとはとハッとさせられ、
そのおかげで漢詩を自分たち本来の文学として顧みるようになり、
唐詩などの漢詩を読み返すようになりました。

:日本でも漢詩は中国の古典として中学や高校で学習しますが、
古典である上に中国語なので取っ付きにくいイメージがありました。
でも中華圏の子どもたちにとっては非常に親しみのあるものなのですね。
:そうですね。とても親しみがあります。
でも学校では基本的に暗記をするだけでしたから、
漢詩がもつ本来の意味をきちんと理解していませんでした。
今読み返してみると、古代の詩人はあれほど豊かで深い内容を
たった数文字に凝縮して表現していたとは……と感動します。

(月曜日に続きます!)

800_6828-xストーン(石頭)
本名、石錦航。台湾人気ロックバンド「Mayday」のギタリスト。1975年12月11日台湾、台北生まれ。国立台湾師範大学付属中学、淡江大学環境工学科卒業。コンサート中に当時交際中だった女性にプロポーズし、その後結婚。2007年に長男が誕生し、「小石頭(小さな石)」の愛称で知られている。2009年には、第二子が誕生している。

 

*4月15日スタートの佐藤健主演フジテレビ系ドラマ
『ビター・ブラッド』の主題歌“Do You Ever Shine?”をMaydayが担当。
Maydayオフィシャルサイト:http://www.mayday.jp

photo by 熊谷俊之/text by 西本有里