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驚くほど幅広いジャンルの小説を読んでいる
読書家・張震(チャン・チェン)のオススメの1冊とは?

取材・構成=西本有里、写真提供=Cat(タイトル他)、許闖(プロフィール)

 

もっと台湾:日本人読者に薦めたい中華圏の本を教えてください。

張震:『棄業偵探』1です。
これは僕自身が役者として演じたい作品です。

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シリーズで2作品出ていますが、2作目の方がお薦めです。
主人公は失業中の記者で、シリーズごとに面白い事件に出くわし、
その事件を解決していく本格派推理小説です。

この小説が興味深いのは、彼が出くわす事件はすべて台北で起こりますので、
実際に存在するカフェやレストランが出てくるんですよ。
小説の中に出てくるレストランは、どこもおいしくて
僕自身が好きでよく行く店ばかりなんです。
自分の知らないレストランが出てきたりすると、
友達にこの店知ってる?なんて調査したりもしましたよ。
ある意味、現在の台北市を描写している小説ってすごく珍しいですからね。

僕は本で食べ物や飲み物のことを読むのが大好きなんです。
村上龍さんは食を描いている本も多く、
特にヨーロッパ、ニューヨークそして日本での食を綴った本は特に面白いです。
僕自身、次回ヨーロッパに行った時には
村上龍さんが書いていた料理を食べに行こうと思ったりします。
そういう意味で『棄業偵探』は物語が面白いだけではなく、
台北の食を知る意味でもとても良い小説だと思います。
そして映画作品としてもぴったりの題材だと思います、ぜひ読んでみてください。

日本は探偵ものの映画が本当に多いですよね。
……そうだ、思い出しました!
僕が探偵小説に興味を持ったのは、林海象監督が1993年〜96年に撮った
『私立探偵濱マイク』シリーズを見たことがきっかけだったんですよ。
横浜の映画館にオフィスを構えていて、
サングラスに革ジャンでめちゃくちゃクールでしたよね、永瀬正敏さんの濱マイク。
そういえば最近『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』がありましたよね?
もし『棄業偵探』と有名な探偵キャラのコラボ映画なんかができたら素敵ですね。

(了)

 

interview_prof張震(チャン・チェン)
1976年10月14日、台湾台北生まれの俳優。台湾の名優・張國柱(チャン・グォチュー)の次男。1991年に故・楊徳昌(エドワード・ヤン)監督の自伝的映画「牯嶺街少年殺人事件」でデビュー。最近の作品に王家衛(ウォン・カーワイ)監督の『グランド・マスター』(原題:一代宗師)、新作に侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『聶隱娘』がある。また第38回香港国際映画祭において3人の俳優がオムニバス形式で監督をした『三生』にて監督デビュー。

 

  1. 『棄業偵探01:沒有嘴巴的貓,拒絶脱罪的嫌疑犯(口のない猫、罪を晴らすことを拒絶した容疑者)』は2011年12月に推守文化より発売された張國立の初推理小説。シリーズ2作目の『棄業偵探:不會死的人一直在逃亡的億萬富翁(不死身の人間、永遠に逃亡し続ける億万長者)』は2012年4月に同じく推守文化より発売された。 []