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シリーズ初の外国人ライダーを演じた
『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』などで
骨太なイメージが強い何潤東(ピーター・ホー)にとって、
恋人を優しくサポートするハオ・ジエ(浩介)を演じた
原田マハ原作の日台合作映画『一分間だけ』は特別な作品になったようです。
脚本や役作り、また彼のお薦めの本についてお話を伺いました。

取材・構成=西本有里、プロフィール写真提供:達騰娛樂、「一分間だけ」映画スチール提供:安可電影/崗華影視

 

もっと台湾(以下、も):原田マハさんのベストセラー小説を原作とした
台湾映画『一分間だけ』に出演されましたが、
この本を受け取った時どのように感じられましたか。

ピーター(以下、ピ):脚本を初めて読んだ時、最近中国で人気のある
特殊効果を大量に使った大規模な映画とは対極にある作品だなと思いました。
日常生活の中で起こる小さな出来事を通して、
僕たちにいろいろなことを考えさせてくれる作品だ、と。

現代社会の中で人間が追い求める物にお金や時間がありますが、
これらを追い求める過程で実は僕たちは自分自身にとってとても重要な物、
たとえば身近にいる人たちへの思いやりを失っているのではないかと思います。
タイミングを逃してしまえば、取り戻すことはもうできません。
僕自身もこの物語を通して、自分の周りにいる大切な人たちとの1分間を大切にすること、
1分でも1時間でもいい、できるだけ多くの時間を
大切な人と過ごすことの重要性を学んだ気がします。

僕が今まで演じて来た役柄は、どちらかというとヒロイックなものが多く、
感情のアップダウンが激しいドラマティックな役柄が多かったんです。
今回演じたハオジエ(浩介)は、今まで演じてきたような役柄とは
大きく違い、生活に根ざした役柄でした。
そういう意味でこのキャラクターのリアリティーを表現することは
自分にとって大きな挑戦でした。観客の方には、
この映画の何潤東(ピーター・ホー)は何潤東(ピーター・ホー)ではなく、
皆さんの生活に普通に存在する男、ハオジエ(浩介)として
受け入れてもらえるんじゃないかと思っています。

:印象的なドラマや映画はありますか。

:日本のドラマでは『101回目のプロポーズ』(中国語名:101次求婚)と
『東京ラブストーリー』(中国語名:東京愛情故事)がとても印象に残っています。
「東京ラブストーリー」は柴門ふみさんの漫画が原作ですよね。
最近はアメリカのドラマも好きでよく見ます。

映画は北野武さんの作品が好きです。
特に『アウトレイジ』(中国語名:極惡非道)は観る人の心を揺さぶる力があり、
とても衝撃的な作品です。彼のショットは非常にシンプルですが、
リアリティーに溢れています。素晴らしい監督です。
もし機会があれば、北野監督と仕事がしてみたいです。

:では、本をどのような存在と考えているか教えてください。

:本は、僕たちが子どもの頃とその存在意義が変わってきているのかもしれません。
昔はインターネットがありませんでしたから、知識や情報、
あらゆるものが書籍や漫画・雑誌を通して伝えられました。
僕にとって本は別の世界に繋がる扉のような存在です。
自身の人生とは異なる世界を見せてくれるゲートのような存在です。

:最後に、日本読者にオススメの中華圏の本を1冊、教えてください。

:台湾で大変有名な作家であり、監督でもある九把刀(ギデンズ)1
『異夢』2という作品です。
最近読んだばかりで、サスペンス小説なんですが、非常に突飛で極端な物語です。
登場人物の関係と彼らの友情の描き方が非常に素晴らしく、
とても面白い作品ですよ。ぜひ日本の皆さんにも読んでいただきたいです。

(了)

#3_ph0何潤東(ピーター・ホー)
1975年9月13日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。俳優、歌手、そしてプロデューサーをもこなす多才なアーティスト。両親は香港人だが、幼少期に台湾に移住し、小学校までは台湾で成長した。その後、中学の時にカナダへ留学、大学もカナダで卒業するインターナショナルなバックグラウンドの持ち主。1998年に台湾にてデビュー、現在は中国大陸を中心に活躍の場を広げている。
 

  1. 1978年生まれ、台湾・彰化県出身の作家。多作な作家として知られており、2000年にネット小説を発表して以来、これまでに生み出した70本以上の作品のうち、多くが映画、ドラマ、ゲームになっている。2013年に日本で公開された映画『あの頃、君を追いかけた』は、彼の自伝的小説を自ら監督として映画化し、アジア各国で大ヒットを収めた。 []
  2. 2004年3月30日に蓋亞文化から出版された九把刀(ギデンズ)の都市恐怖病シリーズの1冊。主人公は拳銃の腕前がピカイチの刑事赤川、彼は毎日のように凶悪殺人事件の予知夢を見る。しかし赤川の予知夢と現実の事件の状況は少しずつではあるが、ずれているのだった。そこで赤川の友人である知性派刑事金田一が捜査に加わる。 []