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これまでコツコツと地道にキャリアを積み上げてきた
実力派俳優・温昇豪にとって本の存在意義とは?
日中の歴史問題に関する考えや自身のルーツについて大いに語っていただきました。

取材・構成=西本有里、撮影=熊谷俊之

 

もっと台湾(以下、も):では、本はあなたにとってどのような存在ですか。
溫昇豪(以下、溫):僕にとって本は僕に新しい窓を開いてくれるような存在です。
本は、命や魂の階層を豊富にし、広げてくれます。人は本を読んだ方がいいと思います。
人の人生はある程度型にはまってしまっていて、大胆な冒険はそうできるものじゃありません。
人生において冒険をすると、失うものは多大ですし、命を落とすリスクすらあります。
でも本は、人に自由に想像する空間を与えてくれます。
また、先んじて物事を体験する術を与えてくれます。
俳優の仕事にも同じような部分があります。
たとえば脚本に大病をして亡くなる、とあったとしましょう。
温昇豪の人生では実際に経験したことではありませんが、
演じることで疑似体験し、練習ができます。
もちろん練習したってそれになんの意味もありません。
ただ、疑似経験をすることで、同じような問題に直面した時、
いかに対応すべきかを考える手だてにはなります。
実際にそのような状況になった時に大慌てせずにすむ可能性はあります。

:最後に日本のファンの方達にメッセージをお願いします。
:『結婚って、幸せですか THE MOVIE』は日本で公開されましたよね。
応援してくださった皆さん、ありがとうございます。
僕は最近、中国大陸での仕事が増えているのですが、
今後、日本の俳優さんと一緒に仕事するチャンスが巡ってくるよう期待しています。

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日本文学の歴史は長く、厚い基盤があり、素晴らしいです。
文学って民族アイデンティティと深い関わりがあると思うのですが、
台湾は民族アイデンティティにおいて歴史的に脆い部分があります。
そういう点からも日本をうらやましいと思います。

僕は日本が大好きで、実は最近、日本に家を買ったんです!
日本文化好きが嵩じて買ってしまいました(笑)
実は僕の祖父や親戚の多くが日本に留学をしています。
叔父は慶応大学の医学部を卒業してますし、祖父の兄は東京大学の法学部卒業です。
あの時代に日本へ留学していたわけです。
そうした家族の背景もあってか日本に強い親近感を抱いていました。
ですから今後、日本の俳優さんと一緒にお仕事をする機会があれば、とてもうれしいですね。
僕は日本語しゃべれないですけど(笑)。
思い出すなあ——祖父から「日本語がしゃべれないとはどういうことだ!」って
よく怒られたんですよ。日本統治時代を経験していますから、
日本語がしゃべれるのは当たり前のことだという考えがあるんですよ。

僕はこれから日本との交流が盛んになることを期待しています。
文化は国の力です。アジア文化を広く伝えていきましょう!

(終わり)

 
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温昇豪(ウェン・シェンハオ)
1978年2月22日、台湾高雄市出身の俳優兼モデル。
2006年に公共テレビで放送された『危險心靈(危険な魂)』で演じた数学教師役で注目をされ、その後『敗犬女王-My Queen(原題:敗犬女王)』『P.S.男(原題:偷心大聖PS男)』などアイドルドラマに多数出演。2010年に出演した大ヒットドラマ『結婚って、幸せですか(原題:犀利人妻)』以降、『ズーム・ハンティング(原題:獵豔)』『候鳥來的季節(渡り鳥の季節)』『結婚って、幸せですか THE MOVIE(原題:犀利人妻最終回:幸福男·不難)』など映画作品への出演も多数。2013年には歌手デビューを果たし、EP『James Wen』を発売した。