殺鬼

 

読みどころ・あらすじ:

 

日本統治時代(1940年代)、台湾の片田舎にパー(劉興怕)という少年がいた。怒り狂う牛をも素手で止める怪力の持ち主だが、両親に捨てられた孤児で、祖父・劉金福と暮らしていた。戦争へと突き進んでいく時代、日本の軍人になりたかった彼は、鬼中佐と呼ばれる日本軍人に見出され、その養子となり、日本名に改名して軍人となる。しかし戦争のせいで彼は片目を失い、日本は敗戦する。戦後台湾へやって来た国民党軍は、当然その怪力の軍人を見逃すわけがなく、彼を国共内戦の戦場で戦わせようとする。祖父はパーを守ろうと、ある手段をとる……

日本統治時代から二二八事件へ、激動する台湾に現れた怪力の少年の伝説を、濃厚な文体とマジックリアリズムの手法で描いた大長編(中国語で30万字=『台湾海峡一九四九』[龍應台著、白水社]より長い)。いくつもの時空とさまざまな言語で繰り広げられる荒唐無稽なストーリーと重厚なテーマ(郷土性、歴史性)により、台湾の出版界で大きな称賛を浴びた。

 

『殺鬼』

原題:『殺鬼』
著者:甘耀明〔かんようめい〕
出版社:寶瓶文化、2009年7月初版刊行
仕様:A5、ソフトカバー、縦組、448頁
カテゴリー:中国語文学

白水社より2016年日本語版刊行予定。
*タイトルなどは本サイト用の訳です。刊行されるものとは異なります。

 

 

甘耀明(かん ようめい/ガン・ヤオミン)

1972年台湾・苗栗獅潭生まれ、客家人。東海大学中国文学部卒業、東華大学大学院創作・英語研究科修了。最も注目される新世代小説家のリーダー。主な著作に、短編小説集『神秘列車』(2003年)、短編小説集『水鬼學校和失去媽媽的水獺(おばけ学校とみなしごカワウソ)』(2005年)など。聯合報文学賞、呉濁流文学賞、中国時報「十大好書」(フィクション部門)選出など受賞多数。

 
 

目次:

 

1 野蛮なる名を持つ少年
2 日本人になる
3 機関車を停めた植物
4 父さん、生きてください
5 鹿野千抜という新しい名前
ほか全22章