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キュートなルックス、温かい人柄で日本でもプー監督の愛称で親しまれている瞿友寧(チュウ・ヨウニン)監督。「イタズラなKiss〜惡作劇之吻〜」や「イタズラな恋愛白書~In Time With You~」等、アイドルドラマを撮らせたらこの人の右に出る者はいないと言われる彼にご自身の読書遍歴を詳しく語っていただきました。

取材・構成=西本有里、撮影:聞文堂

:監督は脚本も執筆されますが、本からインスピレーションを受けて書く事はありますか?

:少ないですね。脚本を書くときは、人と会って直接話しを聞いて理解を深める事が多いです。先ほどお話ししたように、本はツールとして何かを調べる為に使う事はありますが、本からインスピレーションを受けて脚本を書く事はありません。

:では今日お持ち頂いた監督のお薦め本をご紹介頂けますか?

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:はい、まず『觀看的方式(Ways of Seeing)』 1 から。この本はポストモダンアートについて書かれた本で、機会がある毎に読み返しています。この本には先入観や常識にとらわれる事なく物事を見る方法が提示されており、クリエーターや芸術家は既成概念にとらわれない物の見方をする事が重要だと教えてくれた大切な本です。

また私は張友漁の児童文学も好きで、彼女の作品『我的爸爸是流氓(私のパパはチンピラ)』2 はドラマ化もしました。この小説の面白い所は、男の子と女の子それぞれの視点で物語を描いている部分です。私が持っているバージョンは男の子と女の子の視点を上下で分けて書いており、改訂版では前後に分けて書かれています、ですから前から読んでもいいし、後ろから読んでもよいというユニークな構成になっています。

彼女は児童文学を書いていますが、故意に子供向けに可愛らしい表現で物語を書く事をしない所がとても気に入っていて、彼女の作品をまた映像化したいと思っています。子供の純粋な目線で物語を綴っている作家です。

 

ここ数年は本を読む時間がなかなか取れずに、本から遠ざかっていたのですが、撮影が終わってオフタイムがあれば、じっくり本を読むようにしたいですね。本が与えてくれる想像力は映像よりも豊かですから。

:次回作の予定はいかがですか?

:現在すでに構想はあるのですが、自分が本気で創りたい作品ですから時間がかかりそうです。その作品にとりかかる前に、大陸での仕事が入っています。映画も撮りたいですね。「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(中国語名:少年PI的奇幻漂流)」のような作品も撮ってみたいですよ。

でも今自分が置かれている環境は李安(アン・リー)監督のように世界中にある素晴らしい小説を映画化させてくれるような状況にはありません。これから中華圏の素晴らしい小説作品があれば私に推薦して下さい、貪欲に読んで行きたいと思っています。

瞿友寧(チュウ・ヨウニン)
1970年1月8日、台湾台中生まれの監督、脚本家。公共テレビ局のドラマ監督として活躍し、2003年に初めて撮ったアイドルドラマ「薔薇のために(中国語名:薔薇之恋)」が大ヒット。その後立て続けに「イタズラなKiss〜惡作劇之吻〜(中国語名:惡作劇之吻)」や「桃花タイフーン!!(中国語名:桃花小妹)」などヒットドラマを監督し、2011年には中華圏で空前の大ブームを引き起こした「イタズラな恋愛白書~In Time With You~(中国語名:我可能不會愛你)」を監督。最新作は「你照亮我星球You Light Up My Star」。映画監督作に「假面超人(台湾の暇人)」、「親愛的奶奶To My Dear Granny」等がある。

  1. 著者はJohn Berger1972年にイギリスでPenguin出版社より発行された。もともとBBCが作ったテレビ番組を基に書籍化したもの。日本では『イメージWays of Seeing―視覚とメディア』として1986年にPARCO出版より出版されている。 []
  2. 1964年花蓮生まれの児童文学者・張友漁〔ちょういうぎょ〕の作品、中國時報年度児童文学良書に選出された。もともと小兵出版社より出版されていたが、2011年に天下雑誌出版より改訂版が出版されている。 []