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2015年の出演作は4本と現在台湾で注目を集める旬の若手実力派俳優・林柏宏(リン・ボーホン)。日本の作品では2014年1月に放映された「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」にて、台湾本校の獄門塾予備校理系グループの生徒リン・ジーションを演じていたと聞けば少し印象があるかもしれない。そんな彼に台湾人気作家・藤井樹の初監督作品、新作映画「六弄咖啡館」の話を交えながら自身の読書遍歴を語っていただきました。

取材・構成=西本有里

もっと台湾(以下、も):本を読むのは好きですか?

ボーホン(以下、ボ):実は本を読むのが好きになったのは最近で、僕の読書遍歴はそう長いものではありません。本を読み始めたきっかけは、初めて出演した映画「帶我去遠方(私を遠くに連れて行って)」1でした。この作品で僕が演じたのは大変本好きな青年で、監督の傅天余〔フ・テンユー〕2さんから役の為に本を読むよう強いられたからです(笑)。それまでは本を読むのが苦手だった僕は、監督に本を読めと言われて、どんな本を読むべきだろう、どんな本が面白いのだろう? と手探り状態でした。ですから初めは監督に読めと言われた本をひたすら読んでいく状態でした。監督と本についてやり取りをする中で、彼女からインスピレーションを受け、やがて自分が本当に読みたいと思う本を探して読めるようになりました。小さい頃は先生から読むように言われた本を読むだけでした。

:学校で読むように言われた本にはどんなものがありますか?

:劉墉〔リョウ・ヨン〕3や倪匡〔ニー・クァン〕4などの作品ですね。高校の頃はテスト勉強の為に四大小説(『三國演義(三国志演義)』、『西遊記』、『水滸傳(水滸伝)』、『紅樓夢(紅楼夢)』)といわれる中国の古典小説や、中国文学史などを読みました。『中國文學史演義』はお薦めです。中国古典小説の変遷を解説する書籍ですが、ストーリー性をもって描かれているので、非常に楽しめます。僕はこの本を高校受験前に娯楽として読んでいました。中国古典文学を知る入門編としては最適の本だと思います。テスト前は受験の助けになる本を楽しみながら読めるよう努力していたんだと思います(笑)。

:子供の頃、漫画や絵本などは読みましたか?

:どちらかと言うとサイエンス系の本や宇宙人の本などを読むのが好きでした。もちろん台湾の子供達は皆読んでいるであろう『漢聲小百科(漢聲百科事典)』5や『十萬個為什麼(十万個のどうして)』6も読んでいました。小学生の頃大好きだったのは倪匡の作品で、僕の子供時代において倪匡はもう古いと思われていたようですが、先生の薦めでよく読みました。

:台湾にも学校推薦図書を読み、読書感想文を書く習慣はありますか?

:あります、でも先ほど話した書籍は学校推薦図書として読まされた訳ではなく、小学校の担任の先生が個人的に薦めてくれた本で、僕のクラスでは毎日必ず劉墉のエッセイを一本読み、毎日感想文を書くよう先生が指導していたのです。

:小さい頃からサイエンス系の本を読む事が好きだった事と、大学で化学科を専攻した事は関連しているのでしょうか?

:今話しながら何か関連性があったのかな?と考えていたのですが、なさそうです(笑)。もちろん小さい頃からサイエンス系の本は読んでいたので、基礎知識はありました。でも特に化学を学びたいという強い思いがあって大学の専攻を選んだ訳ではありません。高校の頃、僕は特に将来の明確な目標をもっていた訳ではなく、なぜか大学入試の化学で高得点を取ったので、それで化学科に入っただけです。

:漫画は読みますか?

:あまり読んでいませんね。読んだ事がある漫画はほとんど日本の漫画で、『名探偵コナン(中国語名:名偵探柯南)』、『金田一少年の事件簿(中国語名:金田一少年之事件簿)』、『SLAM DUNK(中国語名:灌籃高手)』、『幽☆遊☆白書(中国語名:幽遊白書)』とか。あ、あと『地獄先生ぬ〜べ〜(中国語名:靈異教師神眉)』も読みました。
(続きます!)

 

 

林柏宏3
【プロフィール】
林柏宏(リン・ボーホン)
1988年1月27日、台北市出身の俳優。2007年に中国電視公司が開催したオーディション形式音楽番組「超級星光大道」に出演し、芸能界に足を踏み入れる。初出演の映画「帶我去遠方(私を遠くにつれて行って)」(2009年)にて台北映画祭主演男優賞及び新人賞に入賞し、注目を浴びる。近年はマイケル・ベイ監督の「トランスフォーマー/ロストエイジ」や日本のテレビドラマ「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」への出演を果たすなど国際的な活躍が続いている。2015年の新作映画にはS.H.EのEllaと共演した「缺角一族(ミッシングピース)」、「真愛像阿飄(真実の愛はまるで幽霊)」、「六弄咖啡館」などがある。
写真提供:周子娛樂

  1. 2009年に台湾で公開された台湾映画。傅天余〔フ・テンユー〕が脚本・監督を務め、色覚障害のために独自の色合いの世界に生きる少女の視点を通して10代20代の若者に共通してみられる、見えない将来に対する不安、人格形成においての困難、恋愛の苦しさを淡々と描いた作品。 []
  2. 傅天余〔フ・テンユー〕1973年9月13日台中生まれの脚本家、作家、監督。『清潔的戀愛』にて第24回時報文學獎短篇小説賞、『業餘生命(残された命)』にて中央日報文學獎小説部門大賞を獲得。その後呉念真監督のもと脚本を書き、監督として活躍するようになる。『帶我去遠方(私を遠くに連れて行って)』は彼女の初長編監督作。 []
  3. 劉墉〔リョウ・ヨン〕1949年2月台北生まれの台湾作家、画家。美術教師をした後、テレビ局の記者として活躍し、エッセイを書き始める。彼のエッセイ集はベストセラーとなり、中学校の教科書にも掲載されている。 []
  4. 倪匡〔ニー・クァン〕1935年上海生まれのSF小説家、脚本家。1957年より香港に移り住み、創作活動を続ける。香港の四大文学人と称されている。彼の作品はSF小説だけでなく、怪奇小説や武俠小説等多岐に渡る。有名なシリーズに「Wiselyシリーズ」「原振俠シリーズ」「女賊ムーランシリーズ」などがある。 []
  5. 英文漢聲出版社が1984年12月から85年11月まで出版していた子供向け12冊セットの百科事典。累積25万冊の販売量を誇り、台湾で最もよく売れた児童書となっている。 []
  6. もともと中国の少年兒童出版社が1960年代に第一版を出版している。その後修正を重ね、現在は上海世紀出版が出版している第六版が最新シリーズ。 []