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「塀の無い学校」

原題:『沒有圍牆的學校』

mother-style-60-61-1息子は塀のない学校に通っている。はじめは私も「塀がないからって子供が学校の外にフラフラ出て行ったりしないかしら」と心配していた。学校の周囲は車道になっていて、車はそんなに多くないけどやはり安全面が気になっていた。

mother-style-60-61-2 入学前に校内で校長先生に会った時(ブラブラ街歩きするみたいに校内に入ったら、校長先生に出会ったというラフな感じ!)、保護者の不安を耳にした校長は、慣れた様子で安心するように説いた。学校側も校内の安全を指導するが、この学校の子供達はお互い助け合うことができるので、何かあったらすぐ教師に知らせてくれるらしい。それにとても責任感のある警備員のおじさんが厳しく監視の目を光らせていて、子供が出て行こうとしたり、不審者がいたりしたら、非常事態に即気付いてくれるらしい。

mother-style-62-63-1 塀の無い学校、と聞くとちょっとかっこいいけど、このように生徒の逃走を恐れない学校の信念は、必ず信頼に基づいていないといけない。私達保護者がもし学校の安全措置を信用できるとしても、それより大事なのは自分の、子供に対する信頼だ。子供が塀のない自由に対応できると必ず信じなければいけない。もっと言えば、部外者の侵入によって子供が危ない目に会ったとき、事態に対処する能力があると信じなければいけない。

mother-style-62-63-2塀が無いので、毎日学校が終わるころ保護者が学校に子供を迎えに行くことは、まるで自分の家の庭に「ごはんだから帰っておいで」と言いに行くみたいに自然だ。校内に入るとなんとなく、長っ尻になってしまう保護者もいる。

mother-style-62-63-3保護者は急いでさえいなければ、誰でも2回会えば顔見知り。すぐにおしゃべりしはじめて、校内で暗くなるまで話しこんでしまう!前学期うちの息子はほとんど毎日暗くなるまで学校にいた。母親である私が、他の親との会話に没頭し過ぎて時間を忘れてしまったから。子供は母親を見ても一緒に帰りたがらず、ここぞとばかりに滑り台へ。運動場を走り回って、全身ドロドロになるまで遊んでクタクタ。それでも学校から帰りたがらなかった。

(略)

 

 

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執筆者プロフィール

恩地万里(おんじまり)
アメリカ・ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム市生まれ。医療分野を中心とした翻訳およびレビューサービス、「silex 知の文献サービス」(http://silex-transl.com/)代表。1999年に台湾、2005年に北京に留学。男女の双子の母親。