9月19日(土)、20日(日)の2日間に渡って、台北にて日台の作家たちが語り合うトークイベントが開催されます。

今回は直木賞作家の乃南アサさん、芥川賞作家の柴崎友香さんをお招きして、台湾の博学多才な作家、張國立さんと小説家で文芸雑誌編集長でもある王聡威さんと誠品書店・松菸店で語り合っていただきます。
なお、9月20日(日)には、『春の庭』の台湾版刊行を記念して、台北・聯経書房にて柴崎友香さんと呉明益さんの対談も開催されます(6月に東京で開催された対談の続編です!)。

*全て事前申込み不要、無料です。

皆さま、どうぞお誘い合わせの上ご参加ください。
また、イベント終了後にレポートを公開する予定です。どうぞお楽しみに。

 

 

【9/19(土)3:30〜5:00pm】

テーマ:乃南アサの台湾注目・一個人の視点から歴史を読み解く
語り手:乃南アサ(小説家)× 張國立(小説家)
場所:誠品書店・松菸店3階フォーラム。

 

 最新作の『水曜日の凱歌』では、14歳の少女・鈴子の視点から戦中・戦後の東京の様子を写実的に描き出し、心を揺さぶる物語を産み出した乃南アサさん。2014年5月より雑誌「青春と読書」で掲載されている「美麗島紀行」シリーズでは、執筆のため台湾各地を巡り、取材しました。彼女は“ある時代は同じ国民となり、また離れ、それでもよき隣人であり続ける台湾の「いま」を見つめ”、何を感じているのでしょうか。
 乃南アサさんのこのアプローチは、張國立さんが最新小説『張大千與張學良的晚宴(張大千と張學良の宴)』で綴ったテーマ、「歷史は我々の軌跡だ、我々の歴史を研究する資格があるのはまさに私でありあなたなのだ」に通じていると言えます。個人の立場から見た歴史が最も我々に近しく、リアルな歴史なのです。

プロフィール

nonami乃南アサ(のなみ・あさ)

 小説家。1960年東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。1988年に『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。1996年『凍える牙』で直木賞受賞。2011年『北のはてから』中央公論文芸賞受賞。巧みな人物造形、心理描写が高く評価されている。
 他に『ボクの町』『団欒』『風紋』『晩鐘』『鎖』『家族趣味』『結婚詐欺師』『しゃぼん玉』など、エッセイ集『いのちの王国』など著書多数。今年8月最新作長篇小説『水曜日の凱歌』を発売、話題を呼んでいる。

張國立老師-2張國立 (ちょうこくりゅう/チャン・グオリ)

 1955年台北生まれ。輔仁大学日本語学科卒業。「時報周刊」の編集長を務めた経歴を持つ。台湾国内で様々な文学賞を受賞しており、言語・歴史・軍事・スポーツ・美食文化などのテーマに精通している。詩、脚本、小説から旅行記までどのようなジャンルでも書ける作家。これまでに数十種類の作品を出版している。
著書には『鄭成功密碼(鄭成功コード)』、『一口咬定義大利(一口で分かるイタリア)』、『鳥人一族』、『亞當和那根他媽的肋骨(アダムとあのクソったれ肋骨)』、『清明上河圖(清明上河図)』、『張大千與張學良的晚宴(張大千と張學良の宴)』などがある。

【9/19(土)7:30〜9:00pm】

テーマ:文学—あなたの生活から始めよう
語り手:柴崎友香(小説家)× 王聰威(小説家)
場所:誠品書店・松菸店3階フォーラム。

 

 あなたの生活で語れることは本当に何もないのだろうか?芥川賞受賞作品『春の庭』は、町を、隣人を、過去と現在と未来を緻密な描写で描き出し、読者はいつの間にか物語の日常に入り込み、何かを探し始めます。
今回のトークイベントでは『春の庭』の作家・柴崎友香さんと「聯合文學」雑誌の編集長・王聰威さんが、自身の育った環境や住まいのお話から、なぜ作家は観察者であり、分析者であり、想像する生きものであるのかを語り合って頂きます。

プロフィール

sibasakitomoka柴崎友香(しばさき・ともか)
1973年大阪生まれ。2000年『きょうのできごと』でデビュー(2003年、行定勲監督により映画化)。2007年『その街の今は』で第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞、第23回織田作之助賞大賞受賞。2010年、『寝ても覚めても』で第32回野間文芸新人賞受賞。2012年『わたしがいなかった街で』、『週末カミング』を刊行。2014年『春の庭』で第151回芥川龍之介賞受賞。最新刊に『パノララ』(講談社)。
最新刊『パノララ』

王聰威老師王聰威(おうそうい/ワン・ツオンウェイ)

雑誌編集者であり小説家。1972年高雄生まれ、台湾大学哲学科を卒業後、台湾大学芸術史研究所に進学。現在は「聯合文學」雑誌で編集長を務めている。作品は中国時報開卷十大良書賞、台北ブックフェア大賞決選、台湾文学賞金典賞入賞、打狗文学賞など入賞歴多数。   
著書にエッセイ『編輯樣(編集のあり方)』、『作家日常(作家の日常)』、『台北不在場證明事件簿(台北不在証明事件簿)』、長編小説に『師身』、『戀人曾經飛過(恋人は飛んだ事がある)』、『濱線女兒─哈瑪星思戀起(浜線鉄道)』、短編・中編小説に『稍縱即逝的印象(少し放すとすぐさま消え去ってしまう印象)』、『複島』などがある。

【9/20(日)4:00〜6:00pm】

テーマ:建物とは人、時間、そして記憶の身体である(『春の庭』刊行記念トーク)
語り手:柴崎友香(小説家)× 呉明益(小説家)
場所:聯経書房(台北市大安区新生南路3段94号B1)

 

 建物は記憶の容器であり、空間を生み出すほかに、時間の流れも背負っています。芥川賞受賞作品『春の庭』は、空間を縦軸に、時間を横軸にして、過去と現在、そして記憶と忘却を織り出す物語であり、非日常の小さな冒険にいざないます
 まさに呉明益の『歩道橋の魔術師』の中に、かつて繁栄し退廃した建物・中華商場が住民の永遠の記憶として残ったように、『春の庭』の水色の洋館と古いアパートも、住人の記憶と人生を背負っています。小説の中の建物、人、記憶について語り合って頂きます。

20120214花蓮-(by-Chen-Meng-呉明益(ご・めいえき)
1971年、台湾・台北生まれ。小説家、エッセイスト。国立東華大学中国文学部教授。短篇集『本日公休』(1997年)でデビュー。主な著作に長篇小説『睡眠的航線』(2007年)、写真評論・エッセイ集『浮光』(2014年)など。『中国時報』「開巻十大好書」選出など受賞多数。長篇小説『複眼人』(2011年)は英語版が刊行され、高い評価を得た。2015年6月発売の最新長篇小説『單身失竊記(自転車泥棒)』が話題を呼んだ。連作短篇集『歩道橋の魔術師』(白水社)は初邦訳となる。
『複眼人』作品概要、部分訳